YUKI

言語、言語で表現できる総て

「ワンパンマン」について知っている二三の事柄…なぜ?


ワンパンマンアンパンマン
ワンパンチ…アンパンチ

このベタなオヤジギャグ、
ベビーメタル…ヘビーメタルに通ずるものがある。

さて、主人公の成長物語が「ビルドゥングスロマン
既に成長しちゃった主人公の活躍・遍歴が「ピカレスクロマン」

ワンパンマンは、ヒーローになりたい漫画ではなく
ヒーローになっちゃった漫画なので、
いわゆる悪漢小説、ピカレスクロマンでしょうねぇ。

色んな意味でオモシロイ漫画なんだが、
「なぜ」という思いが常にある。

なぜ、サイタマがこんなに強くなれたのか?

腕立て100回で、生物としてのリミッターが外れ、
無限の進化ができるのか?

色々と考えるに、このサイタマワールドでは、
まず、一見普通に見えるのに怪人・怪物が出現する世界なのです。

しかも、怪人の多くは、その人の認識や怨念というか
ル・サンチマンから怪人へと「変身」しているわけで…

どうやら、認識が形を生む世界のようだ。

グレンラガンのラスボス
アンチスパイラルが棲む10.5次元世界のように。

就活に敗れ、就活を諦めたサイタマは
純粋に子どものころの夢=ヒーローを目指す。
正攻法で、ひたすら、体を鍛えたら…

こうなった。

同じく生物としてリミッターが外れたガロウは
妥協の趣味だから、サイタマ曰く

「負ける気がしねー」

モンスターが跋扈するサイタマワールドだが…
真の強者というか、戦わずしてサイタマの実力を感知したのは
2人しかいない。

人工進化最終形態アシュラカブト



宇宙の覇者ボロス



人間怪人ガロウも、
S級No.2のタツマキも、
A級No.1のアマイマスクも、
弟子のジェノスにしても、

戦うまで、戦いを目の当たりにするまでは
サイタマを雑魚としか認識していない。

サイタマが真のヒーローであることは
読者にのみ明かされる。

サイタマは就活に敗れ、童心に帰り、
趣味に徹する人生を選んだ。

所詮は趣味、されど趣味。

この認識が、サイタマを無敵のヒーロー、
且つ、英雄的にまで「普通な」
アンチヒーローたらしめているのだと思う。

強すぎて、普通すぎて、生活感満点…
これが(ダ)サイタマ。

ダサかっこいい、のである。


ワンパンマン 10 (ジャンプコミックス)
リエーター情報なし
集英社