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鳥山明について知っている二三の事柄…漫画家「棚園正一」との30年


鳥山明に関する動画を漁っていたら
「街録」というインタビュー動画の「棚園正一」の回に出会った。

小学1年で、教師とのトラブルから学校に行けなくなり
不登校という言葉も一般的でない当時、
中学3年まで、ほとんど学校に行ってない棚橋(本名)少年。
13歳の時に、同じ名古屋在住、
大好きなドラゴンボール作者の自宅に、支援者と凸したのであるw
会って話をするだけなら…と許可が出て
不定期の面会が、鳥山明がなくなる直前までずっと続く!
曰く、鳥山明は、全く「巨匠」らしくない。

漫画家になった棚橋が単行本を鳥山明に贈呈すると
鳥山明は、なんとサインをねだった。
ジャッキー・チェン以来のことだと言うw

動画と若干、ニュアンスの違いはあるが
産經新聞でも記事になっている。
不変であるのは、鳥山明が全く「巨匠」らしくないこと。

鳥山明の力量は、ミケランジェロと同等か、それ以上だと思うが
本人の醸し出す飄々としたイメージが、堪らなく好き♪

手塚治虫鳥山明を「自分の後継者」と言ったそうだが
如何にも「巨匠」の言いそうなことw
鳥山明の対極かも…

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棚園正一

1982年 愛知県生まれ。

     13歳の時に漫画家 鳥山明に出会い、漫画家を志す

2005年 集英社少年ジャンプ 第70回手塚賞

2008年 集英社少年ジャンプ 第68回赤塚賞

2008年 講談社月刊少年マガジンにて読み切り作品「「Soleilーソレイユー」にてデビュー

2015年 『学校へ行けない僕と9人の先生』(双葉社

2015年 『マンガ うんちく名古屋』(KADOKAWA

2019年 『マジスター 見崎先生の病院訪問授業』(小学館

2021年 『学校へ行けなかった僕と9人の友だち』(双葉社)

2022年 『マンガで読む 学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)

2024年 『「山奥ニート」やってます。』(光文社)

漫画家・イラストレーターとして活躍する傍ら、

不登校だった自身の小・中学校時代を描いた

『学校へ行けない僕と9人の先生』が注目を集める。新聞、ラジオ、テレビなどメディア出演多数。

不登校をテーマとした講演を全国各地で行っている。

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鳥谷明さんとの出会いを転機に不登校から漫画家に

棚園正一さん「大人としても目標の人」

2024/3/11 産經新聞

3月1日に68歳で死去した漫画家の鳥山明さんは「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」といった作品を通じ、多くの人を勇気づけてきた。漫画家の棚園正一さん(41)は作品だけでなく、鳥山さん本人との出会いが人生の大きな転機となった。不登校に苦しんでいた中学1年の頃、鳥山さんにかけられた言葉を大きな支えにデビュー。鳥山さんは漫画家としてはもちろん、一人の大人としても目標となる人だったという。

◯世界を変えてくれた

学校に行けずつらい日々を送っていた中学1年のとき、鳥山さんの原画展に行ったことをきっかけに漫画家を志した。母親が同級生だった縁で、鳥山さんの自宅を訪ねることができた。

自分の作品を見せると、鳥山さんは「世界があるね」とほめてくれた。思い切って「学校に行かなくても漫画家になれますか?」と尋ねると、「学校に行かなくてもなれるとは思うけどさ、行ったほうが学校の話とか描けるから便利かもね」。あっさりとした返答だったが、その言葉が棚園さんの世界を変えた。

◯「たったそれだけのことなんだ」

学校に行けない「普通じゃない自分」を責めなくていい―。そう思えた。

偉大な「親戚のおじさん」

その後も鳥山さんとの交流は続いた。自宅を訪ねると、いつも玄関で出迎えてくれた。学校に行けず苦しんだときも、漫画がうまくいかず悩んだときも、どんなに忙しくても時間をとってくれた。

「そうか、大変だな」「相変わらず頑張ってるね」。ただ話を聞いてくれるだけで、うれしかった。

「改めて考えるとものすごい人なのに、僕としゃべっているときは親戚のおじさんみたいでした。子供だった僕のくだらないおしゃべりにずっと付き合ってくれた。それってとてもすごいことだと、大人になってから気づきました」

動物が好きな鳥山さんは、熱帯魚の水槽を見せてくれたり、仕事部屋をのぞかせてくれたりしたこともあった。偉大な漫画家なのに、そんな素振りは見せない。「鳥山さんのような大人になりたい」というのが棚園さんの目標になった。

◯悟空と亀仙人と界王を合わせた人

平成27年、自身の不登校体験を描いた初の著書「学校へ行けない僕と9人の先生」(双葉社)が刊行されたときには、棚園さんとの交流について4ページにわたる文章を寄せてくれた。「『いいよ』って引き受けてくれました。初めての単行本を喜んでくれて、『なかなかがんばり続けられるやつなんていないよ』って言ってくれたんです」

最後に会ったのは一昨年の12月。メールで連絡を取り続け、今年1月、「もうすぐ子供が生まれます」と報告すると、「おめでとう。まさかあの棚橋くん(棚園さんの本名)が。信じられない気持ちです」と返信をくれた。4月に子供が生まれる前に会いに行く約束をしていたが、かなわなかった。「今まで言葉では表せないほどたくさんお世話になってきました。正直、まだ信じられない気持ちです」

強くて明るくて、カラッとしていてウジウジしない。鳥山さんはドラゴンボールのキャラクターのようだったという。「悟空と亀仙人と界王を合わせたような人でした。鳥山さんのような大人になりたいという思いは今も変わりません」。一緒に過ごした時間、かけてもらった言葉は、今も心に強く残っている。